MとY

 
 
 
 
 
 

派遣

 

Y: 派遣労働者が切られてますね。

M: なんで会社はあんたみたいのを正規雇用してるんだろう。

Y: これだけ問題となっている派遣という契約形態は、そもそもなぜ始まったのか。

M: 昔は、派遣って言ったら、格好いいイメージなかった?

Y: 昔の派遣は、設計とか通訳・翻訳などの専門性の高い分野で行なわれてた。もちろん、彼らは派遣元会社の「正社員」であり、そこから派遣された。

M: 昔は、派遣でも正社員だったのね。

Y: 今でもこの派遣形態は多いです。正社員の派遣は、特定派遣といいます。派遣に出て実際に仕事をしていない間も、給料はもらえるのです。

M: でも普通、派遣って登録制で時給だよね。

Y: 資本主義のトップに君臨する資本家様が、派遣法を自分達の都合のいいようにどんどん変えていきました。

M: どんなふうに?

Y: 本来、どこかの正社員であるべきはずだったのに、正社員じゃなくても良いようにしてしまった。

M: 派遣会社に登録しても、派遣会社の正社員じゃないものね。

Y: これを一般派遣といいます。これによって労働者が正社員ではできなかった、必要な時に必要な分だけ労働力を確保するという、エコみたいなことが可能になった。

M: いつでも雇えるし、いつでもクビを切れる。雇われている側にとっては、きついよね。

Y: 雇う側にとっては、これほど美味しいシステムはない。まさにエコ替え。どの業界も派遣を解禁してほしいとなり、現在ほとんどの業種で派遣が可能になってる。

M: 最近、派遣で新人って子も多いよね。

Y: 派遣というのは、本来スペシャリストが会社を選べるような仕掛けなのに、もう理念が崩壊していて、誰も疑問にすら思ってないよね。

M: どうにかしなさいよ。

Y: どうにもならない。資本主義にとってはむしろ正しいスタイル。あとは資本家様が、どこまで労働者のことを考えてくれるかのサジ加減の世界。

M: 生かさず殺さずってやつね。

Y: あんまり搾取すると一揆となり、治安が悪化するので、これでも資本家様は、それなりに妥協してくれてはいる。

M: 派遣禁止とかにしたらどうなるの?

Y: たぶん、資本家様が国外に労働力を求めるだけだよ。もっと国内で働ける人間がいなくなる。

M: 世知辛い世の中ね。

Y: まあ道徳重視で、国際競争力を落としてでも、もうちょっと労働者のことを考えるなら、やっぱり、一般派遣禁止じゃないですかね。

M: 特定派遣はいいの?

Y: 特定派遣は正社員だから、特に問題はないと思う。会社のしがらみに縛られたくないというニーズもあるだろうし。

M: 私だって縛られたくないけど、我慢して働いてるよ。

Y: 全ての労働力を特定派遣にしてしまえばいいのではないでしょうか。

M: 全ての労働者を派遣会社経由にするの?その派遣会社はすごい儲けじゃない。

Y: 儲けどころか大赤字と思いますよ。正社員だから働いてなくても給料払わないと。だから、その派遣会社の役割は国が担う。

M: 公務員が派遣される感じよね。

Y: そう。労働者は全員が公務員。

M: そんなことする意味あるの?

Y: 派遣の良さっていうのもあるわけですよ。企業が人を指定しては違法。だから、学歴などの過去の境遇は関係なく、スキルで派遣先が決まる。

M: 大学出る意味とかないじゃない。

Y: 大学で勉強した知識はスキルとなるよ。もっとも、大学で遊んでいた人は、単なる年増の新人派遣。

M: 研究室でひたすらAoEやってたあんたに言われたくはないよね。

Y: こうして、国選派遣社員が、各企業に労働力として出向くわけです。資本家は、国選派遣社員しか雇うことができない。

M: これって、派遣されなくても給料はもらえるんだよね。だったら、働かないで済ませようと考える人が出てくるんじゃない?

Y: 国が指定した派遣先で、きちんと仕事をしないと派遣登録から外されます。登録してないと働けないので、資本家にでもなるか、死ぬかのどっちか。

M: スキルを持っていない人は、仕事がまわってこないんじゃないの?

Y: 国会議員とかができますよ。

M: 言いすぎ。

Y: もう思い切って、スキル無関係に派遣先を決めたらどうだろう。3カ月に1回、国民大抽選会。

M: 職業選択の自由とかないの?

Y: 今だって無いようなもんじゃない。僕は自宅警備員がやりたいんだけど、実家では働かせてくれないよ。

M: それでも、どちらかというとやりたい職業とかやりたくない職業とかがあるよね。

Y: 食わず嫌いはダメですよ。全員がいろんな職業をやってみるというのは、いいことじゃないでしょうか。

M: なんで?

Y: バイトなんかで客対応とかやってたら、意味不明な客とかいるじゃないですか。いきなり胸もんでくるとか。

M: あんた男だよね。

Y: 「おでんの汁だけください」とか言われたり。

M: それはないでしょ。

Y: ゼクシィのCMみたいな客きたら、たぶん殺してしまう。本屋のレジに男がゼクシィ持っていって、連れの女が「おやおや~?」とか言うやつ。

M: あんたの怒りの沸点で人殺してたら、人類絶滅だよ。

Y: そういう人には、いっぺんその職業をやらせたらいいんですよ。コンビニ店員やったことある人は、コンビニに理不尽な要求はしないもんです。

M: でも、スキル度外視はやりすぎじゃない?派遣先が土俵で、朝青龍に張り手を喰らう可能性だってあるよ。

Y: 人の生死を決める裁判員が、無作為に抽選なんですよ。もう、なんでもありでしょ。

M: WBCとかサッカーとか、日本代表というか、日本平均になるよ。

Y: この制度で、いよいよ僕もSMAPに派遣加入。

M: あんたスケボーできないじゃない。

Y: そんな裏設定は早く忘れようよ。

M: 森君のことも、忘れないでください。

Y: ドラマにもじゃんじゃん出ますんで。

M: 脚本家も監督もみんな素人なんだから、学芸会のようなドラマになるよ。

Y: 脚本家になった時用に「ハチミツと苦労婆3」の脚本も暖めてあるよ。

M: 1も2も、グダグダだったよね。

Y: やばい、早くこの制度にならないかな。楽しみすぎる。

M: ほとんどの人がやりたくない仕事をやってるんだから、派遣先はだいたいがハズレだよ。

Y: やっぱ、資本家と交替してほしいですよね。交替してほしいと思う立場がある時点で、世の中理不尽。

M: 「Sometimes I wonder how you can stand being just a dog..」

Y: 時々、あなたはどうして犬なんかでいられるのかと思うわ。

M: 「You play with the cards you're dealt..whatever that means.」

Y: 配られたカードで勝負するしかないのさ。それがどういう意味であれ。

M: あんたもスヌーピーに学びなさいよ。

Y: 僕にはカードは配られなかったでつ。

M: 何「でつ」って?

Y: スヌーピーに見えない?

M: コンビニ店員に派遣された朝青龍の胸をもんで、張り手を喰らって死ねばいいと思うよ。

Y: おやすみ。

M: おやすみ。

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