MとY

 
 
 
 
 
 

夏休み

 

Y: なんか、子供たちはすっかり夏休みモードじゃないですか。

M: まあ、そうね。

Y: なんで、僕が働いてるのに休めるの?

M: あんただって、子供の頃、夏休みあったよね。

Y: 子供の頃は、夏休みになると、毎回友達ができた。

M: 子供の頃は意外と社交的だったの?

Y: 「夏休みの友」

M: それは絶交したい友達だよね。

Y: あれほど何食わぬ顔で、友達気取りで近寄ってくるヤツはいないんじゃないだろうか。

M: あんたは試験の前になると何食わぬ顔で、友達気取りでノート借りにいったりしてたよね。

Y: ネーミングを変えるべき。

M: 変えなくていいよ。

Y: 「夏休みのタモ」

M: 毎日「いいとも」見ておしまいじゃない。

Y: 「夏休みのノモ」

M: もうずっとお休みだよ。

Y: 「夏休みのヒモ」

M: それもずっとお休みだよ。

Y: そんな友達を含め、夏休みには宿題がつきもの。

M: 計画通りにやれば、楽にクリアできる量だよ。

Y: 計画通りにいくのは、夜神月くらいしかいない。あの友達は計画の無意味さを、6年かけて徹底的に教えてくれた。

M: それは計画がズサンなだけじゃない。

Y: そして、夏休みの終盤、崖っぷちに追い込まれることで、様々な叡智を授かった。

M: ロクな知識じゃないよね。

Y: まず、大量の計算問題。これは、みんなと同じ問題が出ているので分担作業が基本。

M: みんな同じ箇所を間違うじゃない。

Y: 高学年からは、間違えるポイントもずらすように成長する。

M: そういうのは成長とかじゃないよ。

Y: 漢字の書き取りは、鉛筆を3本マス幅にがっちり固定して、一気に3文字書く。

M: 普通にやった方が早くない?

Y: 観察日記系は、毎年、枯らしたことにする。

M: 枯らしたことにするとかじゃなくて、本当に枯らしたんだよね。

Y: 鬼門の読書感想文は、隣の小学校に通ってるイトコから文集をもらって丸写し。

M: あんまりいいの選ぶと入選とかして発覚しそうね。

Y: 作文も同様。毎年、他の人の体験を自分に入魂。

M: シャーマン?

Y: 天気の観測は、オールうすぐもりでOK。

M: 今はネットで調べられるって。

Y: 工作は、ヤクルトの容器を毎年組み合わせ変えとけばいい。担任が変わったらチャンスで、昨夏のものをそのまま投入。

M: ヤクルトのデザイン変えられたらアウトじゃない。

Y: で、一番やっかいなのが、やはり自由研究。自由がいかに人間を不安にするか、子供の頃から真理を教えてくれる。

M: 自由なのに、やらない自由はないよね。

Y: 一回、ドラゴンボールの年表を作って提出しようとしたら、親に破られたことがある。

M: アホだよね。

Y: 関ヶ原の戦いより、レッドリボン軍との戦いの方が、日本人にとって重要だよ。

M: どっちも知らなくていいよ。

Y: さらには、ラジオ体操のスタンプカードの提示というオプションもあった。

M: あー、あったね。ラジオ体操。

Y: 毎日早起きできるわけないから、スタンプ押してないところは、押してもらった時に、インクが乾かない内に親指に移して、親指で押印。

M: 雨で中止の日も押して、おかしなことになるよね。

Y: これだけの量があると、叡智の結晶をもってしても、全てクリアするのは難しい。

M: だから難しくないって。

Y: 「ジェバンニが一晩でやってくれました」とはならないので、、もう一歩踏み込んで、叡智から勇気にシフトしていかなければならない。

M: 間違った勇気ね。

Y: 勇気の登竜門としては「宿題を家に忘れてきました」これで、1日延命できる。

M: 家に取りに帰れと言われたらおしまいじゃない。

Y: あとは8割くらいやったら、努力は認められることにつけこんで、8割しかやらないというのも手。

M: それは、今でもそんな仕事ぶりだよね。

Y: 大技としては、転校するとかがいい。宿題徳政令。

M: 夏休みの友と一緒に、他の友達まで失うよ。

Y: でも、これだけ宿題があっても、夏休みはいいよね。

M: あんただって、夏休みは一応あるじゃない。

Y: 日本の会社員の夏休みの平均は5日間。世界的に見てもものすごく短い。

M: 他の国は1ヶ月以上とかとってるよね。

Y: こういうところは、世界に合わせようとしないから困る。思い切って、小学生と同じくらいの夏休みにしたらどうだろう。

M: 宿題もついてくるかもよ。

Y: 大量の計算問題。部長サイドにつけば、見返りがありそうとか。

M: ものすごい応用問題じゃない。

Y: 観察日記は、隣の部長のバーコードの変化について。

M: そこは枯らしちゃダメだよ。

Y: 作文は、始末書。工作は、数字や日付の偽装工作。

M: 夏休み取る資格なんてないよ。

Y: 自由研究は会社の沿革について研究しよう。

M: それはなんか、真っ当じゃない。

Y: 2050年:倒産

M: なんで未来予想図なのよ。しかも暗い未来にしないでよ。

Y: 会社は僕がいなくなる頃には、倒産してるくらいが丁度いい。食いつぶしたい。

M: あんたには、会社を愛する気持ちはないの?

Y: ブレーキランプ5回点滅「ア・イ・シ・テ・ル」のサイン

M: 会社に対して5回もブレーキ踏んだらクビだよ。

Y: ラジオ体操のスタンプの代わりに、ポケモンスタンプラリーでいいよね。

M: 何のために、ポケモン採集しなきゃダメなのよ。

Y: 秋葉原はピカチュウだってさ。ちゃんと考えてるよね。

M: あんた、やりたいんでしょ。

Y: 大崎と赤羽がシークレットポケモンだって。例年通り、映画絡みのキャラかな。

M: きっと、ポニョだよ。

Y: あれほど意味がないと思っていた夏休みの宿題も、ちゃんと大人になってからも役に立ちそうじゃないですか。

M: じゃあ、あんたの今回の夏休みは、宿題ありで。

Y: 転勤して、徳政令発動させようかな。

M: 大崎か赤羽に転勤すればいいよ。

Y: 崖の上じゃないですか。

M: あんたの場合、結局、崖っぷち。

Y: おやすみ。

M: おやすみ。

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