MとY

 
 
 
 
 
 

保険

 

Y: 保険事業をやりたい。

M: なんでまた。

Y: 他人の命で商売できるなんて、まさにローリスクハイリターン。考えた人は天才だと思う。

M: 保険屋さんが聞いたら怒るよ。

Y: 「安心を売ってます」と言って、オブラートにくるんでるけど、実際は胴元一人勝ちのギャンブルだよね。

M: 実際、保険に入って安心な面もあるじゃない。

Y: 生命保険の場合、お客が死ねば保険会社の負けで、お客が元気であれば、保険会社の勝ち。

M: 言い方、何とかならないの?

Y: しかも客は自分が死ぬ方に賭けるわけだ。

M: でも、保険とギャンブルは違う気もするんだけど。

Y: 古代ギリシアでは、決闘で生き残る方にお金を賭けたそうです。これが保険の始まりと、キートン先生が言ってた。

M: キートン先生が言うんなら仕方ないね。

Y: 死亡率0.01%なら、掛け金(賭け金)100円で、死亡した時に1,000,000円バックでトントン。百万馬券に相当ですね。

M: 死亡率なんて、算出できるの?

Y: 業界では、予定死亡率というのがあるみたい。

M: それって正しいの?

Y: 胴元で設定している率だから、うさんくさいですよ。ディープインパクトの勝率は90%です、とJRAが発表しているようなもの。

M: でも統計から出してるんでしょ?

Y: まあ、予定死亡率が仮に正しかったとしても、さっきの例だと、保険金100円なら、バック200,000円くらい?

M: それだけしかバックされないの?

Y: 60歳から入れます!とか言われて入ったとしても、たぶん有事の際のバックはスカスカだと思う。

M: 胴元おいしすぎない?

Y: だから、保険事業をやりたい。

M: 保険じゃなくて、ギャンブルの胴元をやればいいじゃない。

Y: それは逮捕されてしまいますよ。でも、保険だと事業になるから不思議です。

M: なんで、ギャンブルは国でやってるのに、保険は民なの?

Y: 年金は国でやってるけど、郵政民営化で簡保まで民営だしね。JRAを民営化するようなもんです。

M: でも、民営でやってるってことは、ギャンブルと保険はどっか違うんだよね?

Y: 違うのはトリガ。

M: どういうこと?

Y: 例えば、宝くじは、当たりをルーレットダーツみたいので決めるよね。

M: 今はもっとハイテクなんじゃないの?

Y: 何でもいいんだけど、宝くじの当選トリガがダーツであって、保険の当選トリガは自分の死というわけだ。

M: トリガが違うだけで、ギャンブルと呼ばれたり、保険と呼ばれたりするの?

Y: 正確には、投資金額が、あるトリガの有無で増減し、そのトリガが自分の不幸である場合、保険と定義できる。

M: 保険会社では、自分が安心になれる場合が保険、と定義してそう。

Y: 甘味の付いたオブラートに騙されてはいけない。保険とは、ギャンブル+詐欺の要素があるね。

M: だったら、保険に入らなければいいじゃない。

Y: これがそうもいかない。有事の際に自分一人で何とかできるかというと、ならないケースもある。

M: 高いと分かっていても買わざるを得ないということ?

Y: 人の弱みに付け込んだ商売。宗教にも似てるね。

M: 保険=ギャンブル+詐欺+宗教?

Y: そして、あの勧誘兵。ねずみ講に近い。

M: 保険=ギャンブル+詐欺+宗教+ねずみ講?

Y: 濡れ手で泡っぽい要素がぎっしりですよ。それでいて、きちんとした事業に見えるから羨ましい。

M: 結局、単なる妬みじゃない。

Y: 妬んでいても仕方がないので、保険事業に見習うべき点は応用していきたい。

M: しなくていいよ。

Y: 保険は、対象が不幸というトリガであるから、バッシングされにくい。

M: 確かに、不幸な人には、あれこれ言えないね。

Y: 不幸であれば何でもできそうな気がする。

M: 不幸を演出して、正当化するってこと?

Y: 国技の頂点に立つ人が、そういった演出で故郷に帰ったりしてるんで、国家のお墨付きです。

M: 演出がバレて、実際に不幸になってるよ。

Y: 諸刃の剣だね。

M: そんな剣を振りかざすからじゃない。

Y: 正義の剣の方が、タチが悪いよ。

M: どうして?

Y: 部下に「今日は何となく行きたくないんで休みます」って正直に言われたらどうするよ。

M: それは正義?

Y: そこを「体調が悪いので休みます」と言うことによって、円滑に事が進むわけです。

M: 大差ないよね。

Y: 「行きたくないんで」って断るのと、「今日は忙しいんで」って断るのは、どちらが正しい?

M: 大人は後者だよね。

Y: 上級者は「親が来てるから」「ペットの世話が」を、交互に使い分けてる。

M: そうやって断られてるんだ。

Y: それでサッカーやってたら怒りますけどね。

M: そこをスルーするのが大人じゃない。

Y: マスコミもスルーすれば良かったのにね。

M: それはまた別の話だよ。

Y: 本当に、正義というのは何かと面倒くさい。正しいことしかしない人というのは、正直しんどい。

M: 正しいことを、たまにはしてから言いなさいよ。

Y: あと、保険に入っていることを、悟られてはいけない。

M: どうして?

Y: 保険というのは、言ってみればメインを信用しきれないから、裏でサブの線を買う行為。

M: この人たくさん生きられないだろうなぁ、と思って保険を掛けるってこと?

Y: 生命の場合は、確かに納得できるけど、メインの人にとっては納得できない保険もあるから気をつけたい。

M: 例えば?

Y: 二股。

M: あ。

Y: メインが無くて保険がクロスしてたり、保険の数が何種類もあったりする。

M: そうですね。

Y: しかも保険のくせに、ちっとも安心感がない。

M: そうですね。

Y: 何その、話題を流そうとする口調は。

M: そんなことないです。

Y: 歯切れが悪いね。

M: そんなことないです。

Y: まさか二股を?

M: あんたも、保険事業くらいできるようになるといいね。

Y: いっそ五股の末端くらいでもいいです。

M: 60歳から入れます。

Y: それはちょっと。

M: おやすみ。

Y: おやすみ。

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