MとY

 
 
 
 
 
 

リセット

 

Y: 日本ではやり直しがきかない。

M: 何度でもやり直せるという人もいるよ。

Y: それは「何度でも挑戦できる」の誤りです。そしてその挑戦による結果は、どれも大差ないです。

M: そんなことないんじゃない?

Y: 挑戦する境遇によって結果はほぼ決まっています。

M: 人生がうまくいかないのを境遇のせいにするのは、完全に負け犬じゃない。

Y: 菅総理とホームレスがボディチェンジをしたとします。この時点で身体はホームレスなんだけど頭脳は菅直人です。

M: 何その、誰も得しないコナンみたいの。

Y: このホームレスはすぐにでも総理大臣になれないとおかしいですよね?

M: 無理でしょ。

Y: なんで?

M: 総理大臣になるには、何年もかけていろんなことを築き上げる必要があるけど、ホームレスにはその築き上げがないじゃない。

Y: じゃあ、築き上げればいいじゃないですか。

M: 時間がかかりすぎるよ。

Y: 総理大臣になるための知識や技量はあるのに、ホームレスは挑戦しても総理大臣になれないということですよね。

M: あんたの話は極端なんだよ。

Y: ここまで極端じゃなくても、例えば、僕がホームレスとボディチェンジをしたら、今の企業の正社員になるのはもう一生無理だと思う。

M: あんたは「新卒」という切り札を使って正社員になったわけだし、その切り札がなかったら、ただのクズだよ。

Y: つまり、過去の実績に評価が振り回されて、挑戦そのものの価値を見出せていないわけですよ。

M: 過去の実績だって、大事でしょうよ。

Y: 僕の「新卒カード」はそんなに大事でしたか?

M: それは例外だよ。

Y: その新卒カードも年によって重みが違う。好景気であれば「ずっと俺のターン」だし、不景気であればカードを持っていても就職できない。カード所持者の質はほとんど同じなのに。

M: じゃあ、あんたはどうしたいのよ。

Y: 履歴書のない日本がよいです。

M: 過去が全く評価されないじゃない。

Y: 今の日本はドラクエのようです。

M: どういう意味?

Y: ドラクエはコツコツとレベルを上げて、人々の無理難題を解決していきます。レベルが低いと何もできません。

M: じゃあレベルを上げればいいじゃない。

Y: アリアハンでレベルを上げていると、世界各地の商人がアリアハンへやってくるというイベントが起きます。

M: いきなりすごい展開ね。

Y: このイベントで自己アピールをし、気に入ってもらえれば、アリアハンから出てさらにレベルを上げることができます。

M: 気に入ってもらえなければ?

Y: 一生アリアハンで過ごすことになります。

M: 正規ルートでアリアハンから出る方法あったじゃない。ロマリアへの旅の扉。

Y: あの旅の扉の前には、バラモスが鎮座しています。

M: なんでそんなところにバラモス配置してんのよ。

Y: バラモスがこんなところにいるせいで、一度商人イベントに失敗すると、バラモスが倒せるレベルになるまでアルミラージ狩りです。事実上アリアハン永住。

M: それが今の日本だというの?

Y: アッサラームで、ぱふぱふもできません。

M: それはできなくていいよ。

Y: そしてアリアハンを出た者たちは言うのです。日本人は誰にでも平等にチャンスはある、と。

M: 平等にチャンスはあったじゃない。みんなに商人イベントがあったんだから。

Y: 景気次第で、やってくる商人の人数が変わるんですよ。最近のドラクエは商人があまりやってこないそうです。

M: 景気悪いしね。

Y: ひどい話ですよ。自分達の若かりし頃は商人の船に乗せてもらったというのに、自分達は船でルーキー達を迎えにいかない。

M: 自分達でいっぱいいっぱいなんだから、しょうがないじゃない。

Y: しかも、なんとかアリアハンを出たルーキー達も、はぐれメタルなど狩らせてもらえず、周辺のマドハンドをひたすら狩れと命令されてウツになってるそうです。

M: やっぱり美味しいところは、そんなに簡単には渡したくないでしょ。

Y: マドハンドから得たお金は、100年以上経過しているミイラおとこに献金する儀式もあるんだそうです。

M: ドラクエらしい珍しい国だね。

Y: 菅総理がアリアハンでハマった冒険の書をプレイしても、やっぱりアリアハンは出られないんですよ。

M: じゃあ、どうしたいのよ。

Y: 冒険の書を無くしましょう。失敗したら、一からやり直しということになります。過去の実績にすがることのできない現在の自分が問われる世界です。

M: まさに履歴書のない世界ね。

Y: ついでに、定期的にリセットボタンを押して、1年に1回、レベル1でアリアハンからリスタートにしましょう。

M: 過去の努力が無意味になるじゃない。

Y: 決して無意味じゃないですよ。敵を倒すコツとかそういうのは経験で分かっているわけですし、フラグも素早く立てることができます。

M: もう一回商人イベントは起きるの?

Y: 何度でも起きますよ。どんどんアリアハンに戻るわけですから、すぐに人手不足になるんで、どんどん勧誘します。

M: これって、ドラクエから離れて実社会だとどういうことなの?

Y: 定期的にレベル1に戻されるんで、全員の仕事に年次更新があるようなもんだと思ってください。

M: 派遣と似てない?

Y: 派遣でもいいですけど、派遣会社ルイーダに中抜きされますよ。

M: だからドラクエから離れなさいよ。

Y: どうせリセットされてリスクがほとんどないんだから自分だけが社員の社長になるべきです。

M: 社長に年次更新なんてあるの?

Y: 自分の技量を他の会社に売り込んで契約する形ならありますね。イタリアなんて働いている人のほとんどが社長だそうです。

M: そうなの?

Y: イタリア人の余暇はイメージ通りですが、それでも日本人一人当たりのGDPとほとんど一緒です。日本人は本当に効率が悪いことがよく分かります。

M: 日本人の性格上一度契約を結んでしまうと、ずっと契約を結んでしまって結局固定化されるんじゃない?

Y: そこで、再契約には税金をかけるんですよ。年次が増えるごとにどんどん税金をとる。

M: これだと契約に流動性が出そうね。

Y: さらに履歴書が無いわけだから、過去に捕らわれず、いろんな人に機会が回ってきます。

M: これって雇う方は、何を基準に選んでいいかわからないじゃない。

Y: そんなことは雇う方が考えればいいことです。知った事ではないです。

M: 雇う方も雇われる方も、今より絶え間ない努力が求められそうなんだけど。

Y: そんなことないですよ。この方式の良いところは、いろんな人が絶えずレベル1から始まるところです。すなわち、長い間休んでいても、すぐ社会に復帰できる点です。

M: 自分のペースで仕事ができるってことね。

Y: これで新卒だろうが、会社に巣くうノンワーキングリッチだろうが、誰とでも同じ土俵で競うことになります。挑戦そのものの価値で評価されるようになります。

M: これだと、ノンワーキングリッチのあんたは会社を追い出されるけど、どうするの?

Y: とりあえず、ルイーダの酒場で派遣登録しようと思います。

M: 希望職業はどうするのよ。

Y: アリエッティ。

M: 単なるニートじゃない。そんな小汚い借りぐらしは誰も雇わないよ。

Y: 希望職業を総理大臣で登録してるホームレスもいるよ。

M: それってまさか。

Y: 今の総理大臣は、身体は菅直人で頭脳はホームレスなんですよ。内緒ですよ。

M: 否定できないのが悲しい。

Y: おやすみ。

M: おやすみ。

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