MとY

 
 
 
 
 
 

サービス

 

Y: 日本のサービスって過剰だよね?

M: そう?

Y: お正月から働かなければいけないし、どの店に行っても笑顔ですし。

M: お客様は神様だし、仕方がないよ。

Y: 神様だったら器がでかいから、多少さぼったり失敗しても大丈夫だと思うんですよ。

M: 神様にもいろいろいるんだよ。

Y: 利用する側にとってはサービスが行き届いてるのは良いことのように思えますけど、一概にそうとも言えない。

M: どうして?

Y: サービスを提供する側は、サービスレベルが上がれば上がるほどきつくなっていきます。

M: その分お給料が良くなるんじゃないの?

Y: お給料、増えないよね。

M: まあ、そうね。

Y: ライバルとサービスの競争をした挙句、そのツケは全部従業員の心労となっています。

M: マクドナルドも1分以内に出せなかったらハンバーガー無料券とか、従業員泣かせなことを発表してたね。

Y: 今の時代は、従業員は歯車なんかじゃないですからね。燃料として使う。

M: でも、気苦労するのは、そのお店の従業員だけじゃないの?

Y: 神々は、ある店で良いサービスを受けると、それを基準と考えて、それと同等以上のサービスレベルを求めてきます。

M: サービスレベルの向上が、他でもサービスレベルの向上を生むの?

Y: サービススパイラルです。

M: なんか、相乗効果で良さそうなんだけど。

Y: それだけ、心労を抱える人が増えるということです。メンタルをやられたり、過労死や自殺にまで追い込まれたりする要因は、サービススパイラルのせいかもしれません。

M: 関係ないんじゃないの?

Y: だいたいの業種は、顧客がいて、そして、顧客の要望を受注する側がいます。

M: 資本主義だしね。

Y: サービスの語源はラテン語のServus(奴隷)です。サービスをする側はサービスを受ける側に、原則、絶対服従という文化になってしまっています。

M: お客さんはお金払ってるんだから、正しいんじゃないの?

Y: マクドナルドのような低料金で、客だからと偉そうにするのはおかしいと思うし、それを肯定する経営者も腐ってる。

M: 外野でごちゃごちゃ言うあんたが一番腐ってるけどね。

Y: 外野でもないよ。サービスと言えば、サービス残業ってあるよね。

M: 無償残業?

Y: 一般的にはそうなりますが、それだと、お金さえ支払えばいくら残業させても問題ないということになってしまいます。

M: 問題ないんじゃないの?

Y: 残業自体が労働サービスなんだという意識が日本人に欠落しています。残業して当然、残業している人の方が頑張っている、早く帰るのは怠惰、こんな風潮です。

M: 残業してお金もらえるのなら、いいじゃない。

Y: ウチの会社は残業代出してるからブラックではない、と考えている経営陣は考えを改めてほしいですね。

M: 中には、好きで残業やってる人もいるよ。

Y: みんな結構会社好きですよね。風邪薬のCMとかで風邪の症状が出て、明日会社なのに困った、みたいなの出てくるじゃないですか。

M: うん。

Y: 恐ろしいCMですよ。薬飲んでゆっくり休もうじゃなくて、薬飲んでGo!なんですよね。パシャマではなくスーツ着て薬飲む有様。

M: 休んだら迷惑かかるし、仕方が無いじゃない。

Y: イーモバイルのCMなんて夢の直行直帰ですからね。初詣で「直行直帰」とか願っちゃう時代なのですよ。

M: あんたに神などいないけどね。

Y: 「日本人は時間を守らない」(インドネシア人看護師)

M: 朝の出勤時間にはやたら厳しいのに、夜の退社時間は会社側が厳守していないというやつよね。

Y: こんな風に、サービスをする側の立場が圧倒的に弱いのが今の日本なのです。

M: 奴隷だしね。

Y: こんな風潮に風穴を開けるべく、少し前ですけど、航空会社のスカイマークが、今の日本では斬新なサービスコンセプトを出したんですよ。

M: どんなの?

Y: 「お客様に対しては従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません」とか「客室乗務員のメイクやヘアスタイルやネイルアート等に関しては自由にしております」とか。

M: すごいねこれ。

Y: こういうのが8箇条あって、飛行機の座席の前に置かれてるんだそうです。

M: 丁寧な言葉遣いなんて、乱暴でも丁寧でもコスト一緒なんだから、丁寧にやってくれればいいのに。

Y: 「感情労働」という言葉があります。

M: なにそれ。

Y: お客さんを満足をさせるためにケースバイケースで対応したり、クレームを受けたりといったような労働。

M: それがどうしたの?

Y: この感情労働は、肉体労働や頭脳労働に比べて心にストレスがすごくかかるし、心はただ休めば回復するというものではない。実は過酷な労働であることを理解する必要がある。

M: 丁寧に話すことがそんなにストレスかかる?

Y: 自分では丁寧と思っていても、そうは思わないお客さんもいるわけですよ。そういった場合、お客さんに文句を言われたりしてメンタルダメージ。

M: スカイマークは、感情労働の過酷さを理解し、8箇条を提示して、従業員の負担を減らしたということ?

Y: 礼儀の教育コストもかからないし、メンタルが多少弱くても働ける環境であれば、安価な賃金でも働きたいという人はいると思うから、従業員のコストカットもできる。

M: でも、普通の会社は、こんな応対できて当たり前って考えてるよね。

Y: 精神労働にもコスト意識を会社に持たせなければならない。サービスをさせた分妥当な報酬を従業員に支払っているのか監査する必要があるね。

M: なんか、給料安いところは、こそこそサービスすることになりそう。

Y: ファミレスとかでバイトしても、いらっしゃいませーとか言ったら時給上げないとダメなんで、店長に怒られる。

M: なんか、感じ悪い店なんだけど。

Y: お金を払うと、内緒でサービスしてくれる。

M: なんか、いかがわしいよ。

Y: バイトのJKがマイミクになってくれる。

M: なんでマイミクなのよ。

Y: ソーシャルネットワークサービス。

M: そもそも、今の学生ってmixiなんて使ってるの?

Y: 2年前の大学生にSNSで一番使っているのは何ですか?というアンケートをとったところ、97%がmixiと答えたそうです。

M: 今はどうなの?

Y: 2%です。

M: 時代の流れってすごいね。

Y: 今のSNSはTwitter、Facebook、LINEが三種の神器だね。

M: あんたはやらないの?

Y: 驚くほど語ることがない。

M: まあ、あんたはそうね。

Y: 仕事納めからずっと引きこもってるんだけど、そろそろパスタが無くなりそうなのが今の悩み。

M: そんなことつぶやかれても対応に困るね。

Y: ミミックに食べられて半日気を失っていた話もできるよ。

M: コタツでうたた寝してただけだよね。

Y: あなたのFacebookは、なんか食べ物ばっかりだよね。夜中にラーメン上げるとかテロ行為だよ。

M: あんた結構「いいね!」を押してくれるよね。

Y: 僕は「(どうでも)いいね!」って気持ちで押してる。

M: ひどい。

Y: 「どうでもいいね!」っていうアプリもあって、出てきた「いいね!」を一括で全部押してくれるのを前まで使ってた。

M: ひどすぎる。

Y: でも、なんか落ち込んでるつぶやきにまで「いいね!」つけちゃって、これは危ないということで使うのやめたよ。

M: あんたは死ねばいいよ。「しね!」ってボタンがあるなら押してあげるよ。

Y: 外国人のFacebookの使い方って、本当にいいと思ったことにしか「いいね!」押さないらしいです。

M: 日本人は「いいね!」っていうか「よんだよ!」に近いかもね。

Y: Twitterはいいねボタンがないから、何かリアクションしなきゃという文化が嫌な人はtwitterメインだろうし、うまく住み分けができてるのかもね。

M: サービスを受けているのに、サービスで疲れる人もいるとか本末転倒な気もするね。

Y: 家族サービスというのもあるね。

M: なんか、この言葉もしぶしぶ感があるよね。

Y: でも、お店の人から「サービスしとくよ」って言われたりしたら、しぶしぶ感はないよね。

M: 同じサービスでも違うね。

Y: これからのサービスは、マニュアルや上からやらされているようなしぶしぶサービスではなく、従業員自身がサービスしたいからサービスするという「おもてなし」の気持ちが大事になってくると思うよ。

M: おもてなしをしたい気持ちになるには、お客さんの質も問われるんじゃないの?

Y: スカイマークの9条に「相手によってサービスを変えます」と書かれる日も近いかもね。

M: イケメンには手厚いサービスとかになるね!

Y: 中身がイケてる人にもサービスをちゃんとしてくださいよ。

M: 男には「顔が良くて中身もいい」「顔が良くて中身がダメ」「顔が悪い」の3パターンしかないよ。

Y: これはやはり、9条は改正すべきですね。

M: 裏があるから、おもてなしなのよ。

Y: おやすみ。

M: おやすみ。

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