ギャンブル
Y: 最近、競馬の調子がいい。
M: じゃあ、ヴィトン買ってよ。
Y: 自分で賭けて増やせばいいじゃない。
M: 私は絶対に勝てるギャンブルを知ってる。
Y: そんなのあるの?
M: 競馬好き・パチンコ好きなどのギャンブル馬鹿に、それとなく会話を合わせておく。興味ありますよ〜くらいに。
Y: 興味ないのに、話合わせるの?
M: そうすると、たまに勝った勢いで、ごちそうに誘ってくれたりするわけですよ。
Y: ギャンブル依存症はよく聞くけど、ギャンブラー依存症は初めて聞いた。
M: 全く元手無しで、うまいものにありつける、ノーリスクハイリターン。
Y: ひどい、と言いたいところだけど、それは、ギャンブル馬鹿にとっても嬉しいことです。
M: なんで?
Y: ギャンブル馬鹿は、ギャンブルを何のためにやってるのか。
M: お金を増やすためじゃないの?
Y: ギャンブルでお金が増えるなんて話は、宗教並みに胡散臭い。そんなことは、ギャンブルやってる人間が一番よく分かってる。
M: そうなの?
Y: じゃあ、ルーレット必勝法を教えます。
M: あんたが言うから胡散臭いんだよ。
Y: 赤が7回連続で出ました。「0」を無視すると、赤が8回連続で出る確率は、1/256です。
M: うん。
Y: よって、赤が7連続で出た後に次に黒が出る確率は255/256。赤が7回連続で出たのを見たら、黒に賭ければいい。
M: え、なんか勝てそうじゃない?
Y: という話をあっさり信じるような人は、宗教のいいカモにされます。過去のデータを自分の都合のいいように使うことを「ギャンブラーの誤謬」という。
M: だって、黒が出そうじゃない。赤が8回も続くなんて、すごく確率低いよ。
Y: 8回目も黒が出る確率は2分の1。それこそ100回連続で赤が出ても、ルーレット盤が故障していなければ、次に黒が出る確率は2分の1。
M: どうしてそうなるの?
Y: 過去の結果は、これから行なうことに全く影響がないから、過去がどうだったかは考えてはいけない。
M: でも、そういう話ってよく聞くよね。ツキとか流れとか。
Y: ツキも流れも結果論。回数を重ねるごとに、ただ粛々と勝率は2分の1に収束される。
M: そんなもんなの?
Y: 大数の法則って習ってるよね?
M: 法則なんて、マーフィーの法則くらいしか知らないよ。
Y: シマシマのシャツ着た、メガネのおっさんを探すやつ?
M: それは「ウォーリーを探せ」だよ。
Y: 「締め切りギリギリで買えた馬券は当たらない。締め切りギリギリで買えなかった予想は当たる。」
M: そういうのだけど、そういう題材ではないよ。
Y: 「馬券の当たる確率は、購入金額に反比例する」
M: マーフィーはもういいから、大数の法則って何よ。
Y: 回数を重ねるごとに、一定の割合に収束していく。10回ルーレットを回したら、赤5回黒5回にきれいにそろうとは限らないよね。
M: 偏りは出るだろうね。
Y: これを1000回も回せば、ほぼ赤500回黒500回になるわけです。回数をこなせば、偏りが無くなって行きます。
M: それで?
Y: ギャンブルには、期待値というものがあります。例えば、ルーレットなんかは、実際には赤と黒以外にゼロがあるよね。
M: うん。
Y: 例えば「赤」に賭けた場合、勝てば2倍です。その場合「赤」の出る確率が50%であれば、期待値100%です。
M: 実際にはゼロがあるから、確率50%ではないね。
Y: そう。確率は約47%に落ち込みます。それなのに、倍率は2倍なのです。この状態で「赤」に賭ける期待値約95%。
M: なんかピンとこないんだけど。
Y: じゃあ、サイコロで例えて、1〜3が出る確率が50%だよね。
M: うん。
Y: 1〜3が出たら100円あげます。4〜6が出たら100円ください。って言ったらやる?
M: これは損得なさそうよね。
Y: 1〜3が出たら100円あげます。4〜6が出たら110円ください。って言ったらやる?
M: そんなの、損じゃない。
Y: この状態が、1〜3の期待値が約95% で、4〜6の期待値が約105% です。
M: ルーレットの赤に賭けるってことは、1〜3に賭けるのと一緒ってこと?
Y: そういうことです。
M: 4〜6に賭けたいんですけど。
Y: そっちは、ギャンブルの親、要するに胴元の方です。ギャンブルっていうのは、胴元が絶対勝てるようにできているのです。
M: でも、1〜3に賭けた人が儲かるかもしれないよね?絶対とは言い切れないんじゃない?
Y: そこで、大数の法則が出てくる。期待値95%の賭けであれば、回数を重ねれば重ねるほど持ち金は95%に収束される。
M: 回数を重ねれば重ねるほど、胴元の資金は105%に収束されるわけだ。
Y: ビギナーズラックって知ってる?
M: この説明でいくと、ビギナーズラックは、期待値に収束される前の状態ってこと?
Y: ギャンブルは続ければ続けるほど、確実に負けるので、初心者の方が勝ち組が多い。もっとも、ついてない初心者の方が多いけど。
M: 他のギャンブルの期待値って、どんくらいなの?
Y: 競馬は概ね75%。宝くじにいたっては約47%。
M: これは、競馬だと、賭け続けると資金が75%になりますよ、ということを言ってる?
Y: そういうこと。残りの25%は税金です。宝くじなんてヤクザより性質が悪い。本気で宝くじの管理をやってるところに就職したい。
M: 「この売り場から何本1等が出ました」って参考になるの?
Y: そういう広告によって売れれば、そりゃあ、売り場の1等当選本数は増えますよ。正確には「この売り場の1等当選確率は何%です」と書くべき。
M: 宝くじ屋っておいしそうだね。
Y: もう、国を挙げての詐欺ですよ。クロサギでも手に負えない。
M: パチンコとかは?
Y: パチンコやスロットはさらに胡散臭い。店側で期待値を変化させられる。良心的な店で期待値90%くらいと言われてるけど、何とも言えない。
M: 店によって違うの?
Y: ブラックボックスもいいところ。他のギャンブルは税金として吸い上げてるから、まだ国益と言えるけど、パチンコはほとんどが朝鮮半島にお金が流れてる。
M: そうなの?
Y: パチンコ屋の駐車場で、炎天下のなか子供が死んでも、決してパチンコ屋を無くそうという世論にはマスコミがしないよね。
M: そういえばそうね。
Y: パチンコがいいのなら、カジノだって問題ないのに、カジノは摘発されてパチンコが摘発されないのも、全部、隣国からの圧力。
M: でも、最近のパチンコって面白そうじゃない?いろんなタレントやキャラクターものの台があったり。
Y: 一番すごかったのは、フランダースの犬の台。リーチかかったら、ネロの昇天シーンが出てくる。通称「昇天リーチ」
M: それは、ちょっとまずくない?
Y: おっさんが「ネロ死ねー!」って叫んでた。
M: ひどい。
Y: もう、何でもありですよ。倖田來未の台もあった。♪めちゃくちゃ好きやっちゅーねん 月曜日も 火曜日も
M: 単なるパチンコ中毒じゃない。
Y: この台で打ったら、羊水腐るんだと思う。
M: 文化も期待値も低いギャンブルばかりだけど、期待値100%を超えるギャンブルを続ければ勝てるってことじゃない?
Y: そんなのあるわけない、と言いたいけど、方法はある。
M: どうやるの?
Y: 他人が知りえない情報を知ることで、期待値を上げられる。パチスロなら台の設定を知るとか。
M: 一般人では無理だよ。
Y: ラスベガスのビデオポーカーは設定100%オーバーのものがあるし、見て分かる。これなら、誰でもできる。
M: そういえば、あんたはラスベガスの旅費と宿泊費を全部カジノで稼いだとか言ってたね。
Y: これも運だけどね。大数の法則を発動させるには、回数を賭けないとダメ。競馬より勝ちやすいことは確かだけど、旅行の期間では必ず勝てる保障はない。
M: 逆に言えば、大数の法則を発動させないようにすれば、競馬でも勝てるんじゃない?
Y: 勝てる可能性が上がる、としか言えない。けど、その考え方は正しい。
M: 具体的にどうすればいいの?例えば、持ち金1万円を10倍にしたい場合。
Y: 回数を賭けることにより、大数の法則に捉まるわけだから、一番いいのは、10倍のオッズに1万円1点張りすることです。
M: それって、勝率悪くない?
Y: 10倍という目標に対しては、この方法が一番勝率が良いです。1レース千円ずつとか、複数点賭けるとかは、大数の法則に片足を突っ込むのと同じ。
M: 保険でこの目も押さえておこうとかは?
Y: 保険になってないです。正確には被害を25%で抑えようという保険にはなってる。
M: でも、競馬必勝本みたいのが、すごい出回ってるじゃない。このシステムで勝てる!みたいなの。
Y: 勝てるなら、本なんか売らないでそのシステムで延々稼いでればいい。せいぜい1,2年、たまたま勝っただけに過ぎない。いずれ大数の法則に呑まれる。
M: それが分かってるから、本を売るのかもね。
Y: これも詐欺の一種。
M: じゃあ、なんであんたは競馬やってるのよ。
Y: ギャンブル馬鹿は、ギャンブルを何のためにやってるのか。
M: そうそう。
Y: 趣味です。
M: それだけ?
Y: それだけ。でも、趣味としては悪くない選択肢。
M: どうして?
Y: だいたい趣味っていうのは金がかかる。ところが、例えば競馬なら、なんと75%のキャッシュバック。
M: ヤマダ電機もびっくりのキャッシュバックね。
Y: そして、趣味には、自慢大会の側面もあるじゃないですか。私の作品どうかしら。俺の成績どうよこれ。ちょっとこれオススメよ。
M: まあ、そうだけど。
Y: それと一緒で、ギャンブルに勝ったら、やっぱり自慢したいわけです。
M: ごちそうのお誘いに乗るということは、自慢に付き合うってこと?
Y: そう。だからお互いにとっていいことなんです。
M: じゃあ、ヴィトン買ってよ。自慢に付き合うってことで。
Y: いいよ。
M: マジで?
Y: あそこの外人さんがやってる露店で買おう。ヴィトンのバッグが2,000円だよ。超お買い得。
M: 絶対に偽物だよ。
Y: 分からないよ。本物かもしれない。ここはギャンブル。
M: 期待値0%。
Y: 男には、負けるとわかっていても、戦わなければならない時がある。
M: キャプテンハーロックは、ギャンブラーを煽るために言ったわけじゃないよ。
Y: そんなハーロックも、パチンコ台になってるんで。
M: ハーロックの誤謬。
Y: おやすみ。
M: おやすみ。
・ツキも流れも結果論
・大数の法則
・期待値イ
・クロサギ
・♪めちゃくちゃ好きやっちゅーねん 月曜日も 火曜日も
・男には、負けるとわかっていても、戦わなければならない時がある